とうとう、昨晩『東京のうた』がスタートしました。題しまして<山本ムーグ(VVSOT)× ヒミツの場所■■鹿の首が鎮座する不夜城にて、山本ムーグがDJプレイとポエトリーリーディングを行う渋谷と東京のうたの会>ですが、場所の種明かしは代官山アマランスラウンジ。まー、鹿の首のくだりでバレバレですがwww。
ポエトリーリーディングということで、事前に参考までにと20個ほどの歌詞を送っていたのですが、採用されたのはその中の2曲。プロデューサー仕事のおもしろさは、自分の予想や着地点を遙かに超えたクリエイティヴや表現をアーティストが出してくるところで、この夜のムーグさんは完全にそれ!!!
私としては、歌謡曲の歌詞の俗性とパッションに全く違うトラックをぶつけてくる異化作用で来るだろうと思いきや、ムーグさんのイメージにある「東京」を音のみで現出していくというど真ん中で来たのです。使われたのはダークダックスの「東京ガスの歌」の東京ガスっていうフレーズのみ。森高千里の「東京ラッシュ」もそこだけ。
でもいいんですよ。「ガス」がアウシュビッツやエネルギー問題直結だし、ラッシュは言わずもなが。それよりも、ムーグさん、もの凄くDJ能力が高い!!! DJは誰でもできますが、その場の空気と時間を別次元に持っていける能力のある人はあまりおらず、ワタクシは故・ヨコタススムやカラフトのプレイを思い出しました。
東京という都市は欲望の集積ですが、それなのにエントロピーが低い感じ、といいますか。チェルフィッチュの岡田利規もそういうところがあるけど、そこと同根のセンスですね。あ、それよりも初期デトロイトテクノですよ。
三島由紀夫の割腹前、自衛隊を前にしての演説のサンプリング。それは憂国の激しい言語でしたが、そんな理想社会のありかたなんぞとは関係なく、存在する生き物のような東京の「美しさ」についての断章。
ラストに持ってきたYMOの「テクノポリス」で一段階音量を下げたそのコンポジションも絶妙だったな。
ベルリンのベルクハインで彼のクラブDJを聴いてみたい!!!
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